目次
療法食とは
療法食とは特定の疾患に対して栄養素を調整した食事になっています。
ただし、腎臓療法食は治癒するものではありません。
食べ始めると数値が改善することはありますが症状の進行を遅らせることで数値が変化することが殆どです。
膵臓用の療法食に関しては、ある程度症状が治まると他の食事に切り替えることも考慮ください。
極端な脂質制限の継続は健康に決して良いものではありません。
あくまで栄養は偏っている事の認識が大事です。
小型犬で6、7才で定期健診で少し腎臓が悪いからと療法食をすすめられて、ずっと与え続けるといった事はおすすめしません。
信頼できる獣医さんの指導ありき、または飼い主さんの自己責任で食事は決められるものです。
療法食への切り替え方
現在、食べているフードの10%程度を療法食に切り替えてゆっくりと療法食の割合を増やしてください。
健康な愛犬でも一気に切り替えると消化不良をおこし内臓にも負担を与えます。
ドライフードの場合は器用に療法食だけを残す場合がありますので小粒タイプの方がよいかもしれません。
療法食はドライフードとウエットフードがあります。
ウエットフードの方が好きという愛犬が多いです。
ウエットだと水分も同時に摂れるのでその点でもお勧めになります。
療法食を食べないのはなぜ?
療法食も何種類か試しても食べない時、愛犬は嗅覚が優れているので香りに変化をつけます。
- 温める(食器だけ温めても効果が出る時はあります。)
- ぬるめのお湯でふやかす
- 愛犬の好きな香りのスープやミルク(薄め)をトッピング
腎臓療法食にはトッピングしてはダメという話もありますが最低限の栄養摂取ができないと意味がないのです。
スープなどは薄ければ療法食より遥かに低たんぱく、低リンです。
膵臓療法食も同じですが加えて症状が治まっているなら新鮮なオメガ3オイルを軽くトッピングする方法もあります。
少しでも食べたら大袈裟にでも褒めてあげてくださいね。
腎臓療法食について
愛犬が健康な時の食事はたんぱく質、脂質、糖質、繊維質、ビタミン、ミネラルがバランスよく配合されています。
しかし、腎臓病になると低たんぱく質、低リン、低カリウム、低ナトリウムが求められます。
たんぱく質を沢山摂るとアミノ酸に分解する工程で尿素と窒素が発生します。
尿素と窒素(老廃物)は腎臓でろ過され尿として排出されますのでタンパク質の摂りすぎは腎臓に負担を与えます。
ですから低たんぱくの食事が腎臓病の愛犬には必須となります。
ただし、たんぱく質は愛犬の身体の維持にどうしても必要なため最低限のたんぱく質は摂らなければなりません。
そのため、たんぱく質の質も消化吸収の良いものを選ぶ必要があります。
リンは腎臓の機能が低下すると血中のリンが増えます。そうするとカルシウムの代謝が低下し身体にさまざまな悪影響を及ぼします。
そのため血中リン濃度を正常化するために低リンが求められます。
カリウムはたんぱく質やカルシウムを全身に送る手助け(細胞の維持)や体液の浸透圧を調整したり、余分なナトリウムの体外への排出の手助けもします。
カリウムも腎臓の機能が低下すると身体にたまってしまい 高カリウム血症を引き起こす可能性が高まります。
そうすると胃腸へのダメージや不整脈を引き起こし危険な状態になります。
これらの成分を調整し必要なカロリーを摂ろうとすると脂質と糖質の比率が高まります。
ですから多くの腎臓療法食は低たんぱく質、高脂質、高糖質のフードとなります。
膵臓療法食について
膵炎になると絶食をし徐々に食事を再開しますが膵臓はリパーゼという脂質を消化する消化液を分泌します。
ですから脂質制限をする事で消化液の分泌を減らします。
膵臓療法食が低脂肪なのはそのためです。
また、膵炎は糖尿病との併発も多いため高糖質は避けなければなりません。
低脂肪で糖質もあまり多く摂れないとなると必然的に高たんぱくな療法食となります。
脂質も必ず摂取せねばならない必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸などを摂る必要があります。
また高齢になってからの腎臓病の愛犬が腎臓療法食を続けていると膵炎を併発することがあります。
これは腎臓療法食は高脂質である事が1つの原因となっています。
逆もしかりで膵臓療法食は高たんぱくなものもあり腎臓病を併発することがあります。
ちなみにドッグフードの保証分析値に糖質はほとんど明記されておりません。
これは総合栄養食の基準はたんぱく質と脂質、ビタミン、ミネラルの値で決められているからです。
おおよその糖質の量は100からたんぱく質と脂質、灰分、水分の値を引くとでますので参考にしてみてください。
療法食だけを食べないといけない?
それでは腎臓病や膵臓病の療法食はそれだけを食べ続けなければいけないのでしょうか?
もちろん、経過を観察するという点ではいろんなものを食べていてはなぜ悪くなったか、良くなったか原因の解明がしにくくなります。
ただし、最優先は身体の維持なので必要最低限のカロリーは摂取せねばなりません。
ですから療法食だけを色んな工夫をしても食べないなら食べるようにしないと身体の維持ができません。
腎臓病の愛犬ならできるだけ低たんぱく質、低リン、低カリウム、低ナトリウムの食べ物
膵臓病の愛犬ならできるだけ低脂質なものをトッピングします。
ではトッピングする際のポイントはその食べ物の品質です。
腎臓病の愛犬が最低限、摂取しないといけないたんぱく質、膵臓病なら最低限、摂取しないといけない脂質
それらの品質がとても大事になります。
質の高いたんぱく質とは新鮮で熱変性ができるだけされていないものになるので生肉やさっと火を通したものになります。
質の高い脂質は酸化していない新鮮で良質なオメガ3脂肪酸になります。
それぞれ摂りすぎにならないようにトッピングすることで必要な栄養を摂取できるようになります。
愛犬が美味しいと感じて食べることはストレスの軽減やリフレッシュ、飼い主さんへの愛情などメリットとしてあります。
どうしても食べない時は安全な食材のトッピングを是非、考えてみてください。
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腎臓療法食を食べない愛犬に食事としてもトッピングとしてもおすすめです。
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あわせて読みたい腎臓ケアに関する情報
愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修
代表取締役 川瀬 隆庸
- 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
- 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
- ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
- 小動物栄養管理士認定
- D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
- 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
- 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了
愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。