飼い方のワンポイントアドバイス
柴犬の性格と飼い方
日本犬の中でも、飼い主に最も従順でかしこく、昔から人気の高い犬種です。
子犬の時からほめながらいっかりとしつけをすれば、かしこさを発揮します。
しつけは基本はあいコンタクトです。
名前を読んだら、愛犬があなたの眼を見るように習慣づけてください。
縄ばり意識が強く、自分のテリトリーに入ろうとするヒトや他の犬に対して吠えて威嚇します。
テリトリーに入られてしまうとあきらめが早く、また、何度か回を重ねて見慣れてくると吠えなくなります。
そのため、番犬向きではないと言われています。
多頭飼いが、比較的難しい犬種です。
多頭飼いする場合には、一頭一頭の性格を見極めながらしつけやトレーニングが必要となります。
家の中での序列は、〈飼い主→家族→先住の柴犬(または別の犬種)→新しい柴犬〉が基本です。
ただし、犬同士のコミュニケーションによって先住犬と新しい犬の序列が変わる場合もあります。
警戒心が強くがんこな一面も持っています。特に、最近の柴犬は、この傾向が強くなってきているようです。
なでられることが好き (うれしいと思うよう)になるためには、子犬のときから、スキンシップをしっかりとっておきましょう。
上手な抱き方は、胸のあたりをおさえ、もう片方の手はお尻を支えるという抱き方で安定させるという方法です。
季節の変わり目の換毛(かんもう)の量が多いため、子犬の時からブラッシングにも慣れさせておくようにしましょう。
ブラッシングは、2~3日に一回が目安です。
ただし、換毛期には毎日かかさずに行うことをお勧めします。
ブラシは、静電気が起こりにくい天然木を使用した愛犬の肌に優しいものを使ってあげましょう。
子犬のときから、シャンプーにも慣れさせておきましょう。
天然成分で安心・安全に使えるシャンプーやリンスなどで優しく丁寧に洗ってあげましょう。
柴犬を飼うための環境
神経質な一面も持っています。大きな音が苦手で、ちょっとしたことで体調を崩してしまい下痢をしてしまう場合もあります。いつもと環境が違うと寝られなくなる場合もあります。
日本犬である柴犬は、日本の四季に順応し、暑さや寒さに比較的強い犬種です。
また、活動性の高い野生の名ごりもあるため、外飼いに向いています。
小屋は、道路から離れた音の少ない、雨風や直射日光がしのげる家の軒さきなどの落ち着ける場所に設置してあげましょう。
そして、小屋には屋根をつけてあげましょう。雨風や直射日光を避けることができて、脱走や事故防止にも役立ちます。
外飼いの場合には、夏の防虫対策にはくれぐれもご注意ください。特に、蚊の活動が活発化する5月ごろからは、「フィラリア」に気をつけてください。心臓や肺にフィラリアという寄生虫が寄生し、感染してしまうと完治することができない恐い病気です。
咳や息切れ、そして疲れやすいなどの症状を発症し、重度の場合には、死亡に至ることもあります。
予防接種や飲み薬が一般的な予防手段ですが、蚊を寄せつけない環境づくりも大切です。
室内飼いの場合には、家族が見えるリビングなどで風通しの良い直射日光の当たらない場所を選んでサークルを設置し、その中にペットシーツを敷きつめてハウスやトイレも設置し、落ち着いて安心できる愛犬専用のテリトリーを確保してあげましょう。
柴犬は、かなりのきれい好きです。特に、トイレは食事場所やベッドといった生活スペースから離れた場所に設置するように気をつけてください。
室内飼いの場合は、運動不足による肥満やストレスに気を付けて、十分な散歩をさせましょう。
子犬との接し方
子犬の間は、飼い主があまり過剰になり過ぎると、むしろエスカレートしてしまう場合もあるので、時には、適度に接することも大切です。
物を占有する意識が強いため、お気に入りのおもちゃをみつけてあげて、独り遊びを楽しむ時間をとってあげることも大切です。
老犬を飼うために注意すること
柴犬は長寿な犬種であり、子犬、成犬そして老犬という、そのライフステージを通じて長く一緒に暮らしていける家族です。
老犬になってからも元気で長生きしてもらうための知識と思いやりが大切です。
7~8歳で被毛に白いものが混じり始め、基礎代謝が衰え、肥満になりやすくなるため、低カロリーで消化が良く栄養バランスも良い食べ物を、意識して与えてください。
この頃から聴力が衰え、白内障が進んだり目やにが出てきたりと眼も衰え、皮膚のイボやシワ、そして色素沈着が目立ち始めます。また、関節の健康維持を意識してあげることも大切です。
柴犬は、他の日本犬と同様に、認知症などの脳機能低下症を発症する確率が高い犬種です。
これには、柴犬の進化の歴史が深くかかわっていると考えられています。
柴犬は、太古の昔から魚を多食してきた日本人と生活を共にしてきたので、その進化の過程で魚が重要な栄養源となってきました。
また、鳥獣犬として活躍してきた歴史も長く、やはり進化の過程で鳥肉も重要な栄養源となってきました。
そのため、認知症などの脳機能低下症の予防には、魚や鶏肉を取り入れた食事や、それらに含まれる天然の栄養素をバランスよく配合したサプリメントで補うなどが効果的だと言われています。
食べ物をしっかりとり続けるためには、何よりも歯や口腔の管理が大切です。
「歯周病」は、早期の歯のそう失のみならず、菌が心臓、肝臓そして腎臓に入り内臓疾患につながります。徐々に進行するので、気が付かないうちに重症化してしまう場合があります。
子犬、成犬そして老犬の全ライフステージを通じて、デンタルケアを習慣づけておきましょう。
正しく歯磨きを続けることが基本ですが、それだけでは十分とは言えません。
歯石は放っておくと、口臭や歯肉炎などを引き起こします。早めに、犬用の歯石取りペンチやスケラーなどで除去し、歯茎を天然素材のマッサージオイルでケアしてあげるなどの予防を心がけましょう。
かかりやすい病気と対策
A.膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう
症状と予防
ヒザのお皿が正常な位置から外れ後肢(こうし)全体の骨と筋肉にゆがみが出る骨と関節の病気です。
柴犬の場合は、体型的には後肢(こうし)や腰回りがしっかりしているため、先天的にこの病気にかかりやすい体質だというわけではありません。柴犬は、元気に走り回るため、激しい運動による打撲や落下などの事故を原因としてこの病気にかかる場合が多く、成犬や老犬になって突然に発症する場合もあります。
愛犬の体重管理をしっかり行って、柴犬の持つ強健で均整がとれた体系を維持し、肥満防止につとめましょう。
ダイエットが必要な場合には、運動不足を解消するとともに、低カロリー・高タンパク・低脂肪のオーガニックな原料にこだわった栄養バランスよく配合されたフードに代えてみたり、牛肉・豚肉に比べて低カロリー・高タンパクな馬肉をとりいれたりしましょう。
また、ジャーキーは、良質なたんぱく質を含み、骨の強化にも必要なカルシウムやビタミンDを多く含むマグロなどを材料とするものをお勧めします。
そして、加齢とともに体内での生産量が落ちて不足しがちになるグルコサミン・コンドロイチン・ヒアルロン酸の3つの栄養素をサプリンメントで補って関節をサポートし、毎日元気に散歩に出掛けましょう。
足裏の毛が肉球より長くなると滑りやすくなるため、ときどきチェックして長い部分はカットしてあげましょう。
プロのトリマーが使っている小型軽量なペット用バリカンのなら部分カットにも適しています。
フローリングやタイル張りの床は滑りやすく愛犬の足腰に想像以上の負担が掛かっています。タイルマットを敷いて負担を軽減し、階段には階段マットや安全なワックスで滑り止め対策をしてあげましょう。
術後の対応
重度の場合は、関節の骨を削ったり靭帯(じんたい)の付着部を移したりしてヒザのお皿をはめ直す外科手術が必要になる場合もあります。ただし、関節に手を加えた結果、変形性関節症をわずらうというリスクが高くなりますので、その点も踏まえて検討が必要です。
術後には、過度に運動を控え続けると筋力の低下を早めてしまいます。
歩行困難になって寝たきりになってしまわないように、歩行補助ハーネスなどを活用して毎日の散歩を続けましょう。
B.膿皮症
症状と予防
病原菌の侵入から身体を守ろうとして白血球などが免疫反応を起こしてしまったときに、普段は健康な犬の表皮に存在して身体を守ってくれている「常在菌(黄色ブドウ球菌と化膿レンサ球菌)」が異常繁殖して発症する皮膚病です。
初期症状では赤い発疹ができて、かゆがります。
その後、早い感染スピードで広がっていき、皮膚が化膿して膿がでてしまう状態となり、そして強いかゆみや痛みとなり、腫れや脱毛などの症状が続きます。
皮膚は、身体の内部環境と外部環境との境目となる組織で「表皮」「真皮」「皮下組織」から構成されており、膿皮症はこの全て発症する皮膚病です。
発症する部位によって、3つに分類されています。
- 表皮の一番外側にある「角質層」で発症する「表面性膿皮症」。
- 表皮と真皮を跨ぐ形で存在し被毛を作る「毛包」の表皮にかかる部分で発症する「表在性膿皮症」。
- 毛包全体と真皮および皮下組織で発生する「深在性膿皮症」。
表面性膿皮症→表在性膿皮症→深在性膿皮症と進行するため、悪化させないためには、発症の初期段階での対応が大切です。
全身のいたるところで発症する可能性はありますが、特に、シワや皮膚がタブついている箇所や湿りやすい箇所で発症しやすい傾向にあります。そのため、口吻(こうふん)のまわりを中心に顔、腹、足の付け根部分、内股、指の間などは、特に、日頃から意識して清潔に保っておきましょう。
シャンプー後も、これらの乾きにくい箇所には湿りっけが残らないように、しっかり乾かしてあげましょう。
皮膚の免疫力を高めるために、ビタミンEや必須脂肪酸を含む食事を与えてあげましょう。
ステロイドでかゆみを抑える方法は対処療法でしかないため、異常繁殖した病原菌を抑えるためには、天然原料を主成分とした低刺激シャンプーとコンディショナーを使い、特に毛穴の洗浄、抗菌、殺菌などの効果に配慮したものを使用してかゆみを抑えてあげましょう。
患部を直接になめまわしたりしないように通気性の良い服を着せたり、爪切りをマメに行って患部に爪が当たらないようにするなどの配慮も大切です。
C.アトピー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎とアトピー性皮膚炎
犬の身体には、「免疫」という仕組みが備わっています。これは、ウイルスや細菌などの異物(外敵)が侵入してきたときに体内で作られる「抗体」によって、これらの外敵をやっつけて身体を守ろうとする仕組みです。
食べ物やハウスダスト、花粉、カビそしてダニやノミなどの寄生虫といった生活環境に対して、抗体が過剰反応し過ぎた結果、皮膚にかゆみなどの症状を引き起こしてしまう病気が「アレルギー性皮膚炎」です。
そして、その原因となるものを「アレルゲン」と言います。
アレルギー性皮膚炎は、食べ物がアレルゲンとなって発症する「食餌性皮膚炎」、食器や首輪そして服などの材質および散歩中に生えている草木などに触れたことがアレルゲンとなって発症する「接触性皮膚炎」、そして、ハウスダスト、花粉、カビそしてダニやノミなどの寄生虫などの生活環境をアレルゲンとして発症する「アトピー性皮膚炎」などに分類されます。
アトピー性皮膚炎の症状と予防
柴犬は、特に、「アトピー性皮膚炎」に罹りやすい犬種に含まれています。
アレルゲンとなっているハウスダスト、花粉、カビそしてダニやノミなどの寄生虫を特定して、早期に取り除くようにすることが何よりも大切です。
柴犬は、散歩中に、草むらに顔を突っ込んで臭いをかぐ習性が強いため、目や耳の周りの毛が薄い部位にマダニが寄生しやすい傾向がみられます。
虫が多い季節の散歩には、防虫スプレーで防虫対策を欠かすことができません。防虫スプレーは、皮膚に優しく、舐めてしまっても害のない無添加天然素材のものを選びましょう。
マダニに噛まれたときには、無理やり引きはがすと頭や足が残ってしまい、それだけでもアトピー性皮膚炎の原因にもなります。マダニを潰さずに取り去ることができる道具などを携帯して散歩へ出かけましょう。 柴犬の尻尾の付け根には、ノミが寄生しやすい傾向がみられます。尻尾の付け根から腰、背中にかけての被毛の間に、黒胡麻のような小さなものが付着していたら、ノミの糞の可能性があります。
成虫のノミは、血液を餌とし、吸血の際に唾液成分を注入しますが、それがアレルゲンとなる場合があります。
ノミの幼虫は、成虫のノミの糞を餌とします。
そのため、ノミの糞をみつけたら、より丁寧にシャンプーを行っておかないとノミが繁殖する原因を絶つことができなくなります。
アトピー性皮膚炎はストレスが遠因になって引き起こされる場合もあります。
柴犬は行動力の高い犬種ですので、特に、室内飼いの場合には、毎日欠かさず、適度な散歩を続けてください。暑さに弱い犬種ですので、夏には、熱中症対策に対する配慮も必要です。
春や秋は、花粉がアレルゲンとなることも多いので、服を着せるなどの工夫も有効です。また、サプリメントなどで天然ビタミンCの摂取を補って白血球の能力を高めて免疫力を強化しておきましょう。
室内飼いの場合には、室内環境にも気を配りましょう。アレルゲンとなるダニやノミなどの寄生虫対策として、ほこりが付着しやすい網戸に無添加天然素材の防虫スプレーをワンプッシュしておくことも有効です。
風通しを良くして防カビ対策を行い、部屋の隅々まで十分に掃除をしておきましょう。窓ガラスには花粉が付着している場合がありますので、愛犬が舐めても安全なペット用クリーナーで窓ふきをしっかり行っておきましょう。
基本情報&マメ知識
FCI(国畜犬連盟)分類
5Groupスピッツ&プリミティブ・タイプ
原産国
日本
・縄文時代(約1万5,000年前~約2,300年前)に南方からの渡来人によって持ち込まれたと考えられています。
・昭和11年(1936)に、文部省(現・文部科学省)から国の天然記念物とし指定されており、現在、国の天然記念物に指定されている6犬種(=日本犬)の中で随一の小型犬種です。
・縄文時代の遺跡から出土する犬骨や古墳時代の埴輪などから、日本海に面した山岳地帯に生息し、その元始的な形態を損なうことなく、長い時代を経て現在に至ったと推察されています。
・日本人に飼われ育まれる中で日本の気候風土に適応し、鳥獣犬として活躍していました。
・「柴犬」という名前は、小さなものを表す古語の「柴」に由来しているという説が有力ですが、これ以外にも赤色の柴犬の被毛が、枯れた柴の色に似ているなど諸説あります。
外形の特徴
・やや前傾してピンと立った三角の耳、やや三角で少し吊り上り気味の濃い茶褐色の奥目、尖った口吻(こうふん)、そして豊かで愛らしい頬という顔立ちには、凛々しさと飾り気のない素朴な可愛らしさが共生しています。
・ヒゲや眉毛はカットしなくても良いですが、切るとスッキリして凛々しさを増します。
カットする時には、親指で鼻の上を押さえて、他の四本の指をアゴの下に置いて、とがった口吻をホールドして行いましょう。
・外耳の毛もカットしなくて良いですが、汚れが溜まり易いときには危機を傷つけないように気を付けながらカットしましょう。
・適度に張った肋骨と背から尻尾の付け根までの真っ直ぐ延びた確りした骨格、発達した胸とやや太めの後肢(こうし)を支える丈夫な腰は筋肉質で、全体的に強健で均整がとれたボディに、チャームポイントのクルッと巻いた素朴で可愛らしい尻尾は、日本人が持つ犬のイメージそのものです。
・柴犬の散歩は、一日30~60分を2回が理想的です。
・肥満気味の柴犬は寸胴で、さわっても肋骨を感じられなくなっています。柴犬はウエストがキュッと引き締まったスタイルが理想です。場合によっては、ダイエットが必要かもしれません。
・肛門のまわりの毛は、衛生を保つために短くカットしておくことがお勧めです。尻尾を持ち上げてカットしてあげましょう。
・硬い上毛と柔かい下毛の二重毛で被っており、自然な美しさが感じられます。
・日本の気候風土に合った丈夫な犬種なので、初心者でも飼いやすいです。
・抜け毛をそのままにしておくと、蒸れて皮膚病の原因にもなりますので、確りブラッシングしてあげましょう。
体重/身高
7~11kg/35~41cm
色
赤、胡麻、黒胡麻、赤胡麻、黒褐色、白など
※裏白
豆柴
・「豆柴」については、小さいサイズの柴犬を指す言葉で、犬種ではなく、一般的なメスの柴犬より小さいことが基準となっています。
・昭和30年頃より作られているという説もありますが、様々な由来があります。
・豆柴は、性質などの様々な面において、柴犬と同じ特徴を持っております。
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愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修
代表取締役 川瀬 隆庸
- 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
- 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
- ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
- 小動物栄養管理士認定
- D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
- 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
- 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了
愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。