「本町獣医科サポート」の獣医師 北島 崇です。
腸内の健康を維持してくれる乳酸菌サプリメントイーストスリム。
本日はイーストスリムについて解説させていただきます。
目次
ペットの便チェック
ペットの健康チェックはオーナーの務めです。簡単でもかまいませんので毎日欠かさず行うことが基本です。中でも便のチェックは大切です。
便のチェック
犬の便からは多くの健康情報が得られます。
①量
犬のフードは動物性タンパク質が主体であるため消化吸収は良好であり少なめが普通です。ダイエットフードを与えている場合は、配合されている食物繊維の影響で量は増えます。
②軟らかさ
便の軟らかさは水分量で決まります。摂取した食物の栄養分は小腸か
ら、水分は大腸から吸収されます。大腸での水分吸収に問題があると軟
便や下痢になります。逆に便秘になると水分の吸収が進んで便は硬くなり、ますます出にくくなります。
③色
便本来の色は黄褐色ですが、便の色で注意すべきは血便や黒色便の場
合です。消化管のどこかで出血が起きていることを示しています。
④におい
便臭の成分はインドールやメチルメルカプタンなどで、腸の内容物をもとに腸内細菌が産生したものです。便のにおいが強いということは腸内の便臭原因菌が多いということになります。
現在の室内飼育犬の割合はおよそ84%ですので、みなさんも便臭ケアへの関心は高いのではないでしょうか?(ペットフード協会2016年調査)。
以上のように犬の健康維持はまず腸内環境を整えることからはじまります。
腸内環境の健全化策として次の3つのワードがあります。
- 腸内細菌
- プロバイオティクス
- プレバイオティクス
腸内細菌
腸内細菌叢(腸内フローラ)
腸内細菌とは文字通り腸内(ほぼ大腸)に存在する多種類の細菌をいいますが、腸内細菌叢ということばもあります。腸内細菌叢とは無数の細菌が住みついた状態(=細菌集団)を指します。「叢(そう)=草むら」、「フローラ=花畑」のことです。
腸内細菌叢はその働きによって、善玉菌(20%)、中間菌(70%)、悪玉菌(10%)の3つのグループから成ります。そして、この一定の比率をキープしながら共存しています。
実は腸内健康の決定権を握っているのは中間菌です。中間菌は穀類や食物繊維を摂取すると善玉菌として活躍し、肉類・ストレス・老化などの要因が加わると悪玉菌化します。このため中間菌は日和見(ひよりみ)菌とも呼ばれています。
下痢や便臭が強いなどの腸内トラブルは悪玉菌の比率が増えて3グループのバランスが崩れていることを意味しています。
腸内細菌が好む環境
腸内pHとの関係では、善玉菌は弱酸性~中性(pH6~7)、悪玉菌は弱酸性~弱アルカリ性(pH6~8)の条件が生存に適しています。善玉菌は弱酸性を好み、アルカリ性を嫌うということです。
プロバイオティクス
プロバイオティクスとは生きた善玉菌、またはこれを含む食品のことをいいます。善玉菌の代表としては乳酸菌がお馴染みですが、乳酸菌とは1種類の菌の名前ではなく乳酸を産生する菌の総称です。
乳酸菌
乳酸菌が産生する酸が乳酸です。ラクトバチルス・カゼイ菌(=ヤクルト)はこれの一つです。この乳酸は腸管内を酸性に維持する力が強いため善玉菌は活発に活動し、中間菌も善玉菌を応援します。(なおビフィズス菌も善玉菌ですが、厳密には乳酸菌に分類されませんのでご注意下さい。)
フェカリス菌
フェカリス菌はあまり聞き覚えがない菌ですがこれも乳酸菌の一種で「新ビオフェルミン」や「強力わかもと」などに配合されています。この菌の大きな特性は加熱処理されたもの(=死菌)でも腸内免疫を向上させる働きをもっていることです。
プレバイオティクス
プレバイオティクスとは腸内の善玉菌を選択的に増殖させる栄養源のことです。いろいろな種類のものがありますが、共通して胃や小腸で消化されず大腸に届くという性質(=難消化性)をもっています。
オリゴ糖
ブドウ糖などの単糖類が2~10個程度つながったものを総称してオリゴ糖といいます。砂糖の半分くらいの甘さをもっています。身近なものではガラクトオリゴ糖やフラクトオリゴ糖、ラフィノース(甜菜由来)などがあります。
食物繊維
今やテレビや雑誌で食物繊維入り健康食品の広告を見ない日はありません。食物繊維とは3大栄養素でいうと炭水化物の仲間であり、動物は消化酵素をもっていないため分解できません。水溶性のものと不溶性のものがあります。
●水溶性食物繊維 …とろみがあるイメージのもの
ペクチン(ジャム)、グルコマンナン(こんにゃく)
βグルカン(きのこ、海藻)、フコイダン(昆布、海藻)
難消化性デキストリン(近頃よく耳にします) など
●不溶性食物繊維 …硬いイメージのもの
セルロース(野菜、果物)、寒天
キチン(きのこ、カニ、エビ) など
食物繊維はプレバイオティクスとしての役割をはじめ次のような多様な有用作用をもっています。
(1)保水作用
便が硬くなるのを防ぐ(不溶性食物繊維)
(2)有害物質の吸着
便臭原因物質や毒素を吸着する
(3)善玉菌の栄養源
これがプレバイオティクス
(4)ミネラルの吸収促進
Ca、Mg、Fe、Zn(亜鉛)の吸収を促進する(水溶性食物繊維)
(5)排便促進
便のボリュームアップにより腸の運動を促す
ビール酵母
酵母(イースト)
酵母とは呼吸・発酵を行い炭酸ガスやアルコールを産生する細菌の総称です。パンやビール、調味料の酵母エキスなど私たちの食生活には欠かせない細菌です。この中でサプリメントによく利用されるのはビール酵母です。
プロバイオティクスとしての顔
アサヒグループ食品から販売されているビール酵母の医薬部外品に「エビオス」があります。
このアサヒビールの研究所が実験動物を用いてビール酵母の腸内乳酸菌増加、肥満予防、抗アレルギー、ミネラル吸収促進の作用報告を行っています(2003年)。ビール酵母はプロバイオティクスとして有用な細菌といえます。
プレバイオティクスとしての顔
ビール酵母はきのこに近い細菌であるため、菌体の外側を被う細胞壁(=みかんの皮をイメージして下さい)という部分にグルカンやマンナンと呼ばれる食物繊維を豊富に含んでいます。栄養成分として食物繊維は全体の約30%も占めています。
キリンビールとヤクルトの共同研究ではビール酵母植物繊維とビフィズス菌の相乗作用により、ヒトに対する腸内環境の改善作用(排便量の増加、便中の腐敗産物の減少など)があることを報告しています(2007年)。ビール酵母の食物繊維が大きく関与しているとのことです。
みなさんの愛犬の腸内健康維持のため、プレバイオティクスとプロバイオティクスの両方の特性をもつビール酵母の活用をお勧めします。
まとめ
腸内環境の健全化
- ペットの健康チェックとして便の観察は重要
- 愛犬の健康維持のためには腸内環境の健全化がスタートライン
プロバイオティクス
- 乳酸菌(フェカリス菌)やビフィズス菌などの良性菌のこと
- 腸管内を酸性に維持して善玉菌の活動を応援する
プレバイオティクス
- 乳酸菌などの良性菌の栄養源のこと
- オリゴ糖や食物繊維が代表
ビール酵母
- 良性菌でありプロバイオティクスとして働く
- 食物繊維を豊富に含みプレバイオティクスとして働く
- 腸内環境の改善(整腸、便臭対策)、肥満予防など魅力ある作用をもつ
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執筆獣医師のご紹介
本町獣医科サポート
獣医師 北島 崇
日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)獣医畜産学部獣医学科 卒業
産業動物のフード、サプリメント、ワクチンなどの研究・開発で活躍後、、
高齢ペットの食事や健康、生活をサポートする「本町獣医科サポート」を開業。