最近ではシニア犬こそたんぱく質をしっかり摂るという事が常識となりつつあります。
正しいシニア犬の食事の知識を持って、フードを選びましょう。
目次
シニア期に起こる変化
シニア期に入ると愛犬たちにも変化が起きてきます。
寝ている時間が増える・硬いフードを食べることができない・あまり動かなくなる・食欲が落ちるなどです。
食欲が落ちてくると必要な栄養も摂取することができなくなるので、少量でも栄養の取りやすい良質な食事にしてあげたり、もしくは食欲を促すスープやトッピングを利用してみるなど、今まで食べていた食事を見直す必要も出てきます。また、食事量はしっかり摂れていると思われる場合でも、消化・吸収能力が落ちてきますのでやはり一度見直してあげるのがおすすめです。
シニア犬とタンパク質
シニア犬は若い成犬よりもたんぱく質を30%~50%も多く必要とも言われるようになりました。これはシニア期になってくると衰えてくる筋肉量を維持するためなどの理由があります。そもそもタンパク質は体を作って維持するのに一番必要となるもので、血や骨、筋肉、皮膚、被毛がタンパク質から作られています。また、消化吸収や免疫維持機能の維持にも必要な栄養素です。
しかし、シニアになると、そのタンパク質の代謝機能が低下してしまうので、若い頃と同じ量を摂取しても吸収される量が減ってしまいます。そして必要量を吸収できていないと、足りなくなったタンパク質は筋肉から補おうとするので、衰え始めたシニアの筋肉がもっと弱くなり体重も落ちてしまうことになります。
こういった理由からシニア期にはタンパク質を意識して与える必要があります。また、無理のない範囲で散歩など運動も取り入れてあげましょう。
良質なタンパク質とは?
「タンパク質をとりましょう」とよく聞きますが、どんなものが良質なタンパク質なのでしょうか?
アミノ酸スコア
まず良質なタンパク質は「アミノ酸スコア」というものが高いもの(100が最大)になります。
アミノ酸スコアが100のものだと、効率よくタンパク質が利用されます。スコアが低いと、たくさん食べても有効利用されるものは少なくなってしまいます。
※ただし食材単体のスコアが低くても、様々な食材を組み合わせる事でバランスが良くなり、結果的にスコアが良くなる場合もありますので「スコアが低いものはとにかく駄目」というわけではなく、色々組み合わせてあげるのがおすすめです。
一般的にお肉や魚、卵などがアミノ酸スコアが高く良質なタンパク質の食材です。(ただし乾燥肉=ジャーキーになったものは消化には悪い為、お勧めできません)
新鮮で消化に良いかどうかも大切
「お肉」「魚」が良質なタンパク源としてシニアにはいいからと、加工されたジャーキーなどの消化に悪いタンパク質を過剰に与えてしまうことは、消化に悪く臓器に負担をかけてしまいます。未消化のタンパク質で血液がドロドロになり、代謝が悪いシニアの子の健康を害する事になります。
良質なタンパク質の取り入れ方としては「手作り食」がおすすめです。
愛犬用生肉や茹でたお肉をトッピングしてあげると、愛犬は喜びますし良質なタンパク質も摂ることが出来ます。手作りは大変、という場合はウェットフードであれば水分も多く消化にも良いためおすすめです。
(手作り食がおすすめな理由は、食材の品質や状態を自分の目で確認して愛犬にあげられる事があります。)
ドライフードだけを食べてきた愛犬の場合でもドライフードを少し減らしてトッピングなどで併用して与えていくことをオススメします。(お肉以外のお野菜やスープなどの併用も、ヘルシーさや水分補給で人気です)
タンパク質が不足すると?
タンパク質が不足すると、筋力の低下や毛ヅヤが悪くなるだけでなく様々な健康維持にデメリットが発生します。
もう年だから‥と思っていたのが、実はタンパク質不足が原因で、食事を改善してあげる事で愛犬は本来の健康を取り戻せるかもしれません。
消化や吸収力の衰えてくるシニアこそ、栄養の吸収しやすい良質な食事を。
様々な工夫で、長年頑張ってきた愛犬の健康維持をサポートしてあげましょう。
肝臓や腎臓が気になる子の場合、たんぱく質は低い方がいいのかと思われますが、必要量に足りていないと「免疫力の低下」や「筋力の低下」など、老化や生活レベルの低下を早めてしまったり、様々な病気にかかりやすくなってかえって寿命を縮めてしまう可能性があります。なるべく良質なもの(食材のアミノ酸スコアの高いもの、又はバランスよく色々組み合わせてあげる)、消化に良い状態のもの(消化に良い調理の状態。例えばジャーキーは×)を与えましょう。
良質なものであれば無駄なく有効利用されやすい事になります。
タンパク質制限が必要のある病気の場合は、採血の結果などもふまえてお医者さまと相談しながら調節し、くれぐれも自己判断だけで減らしてしまうという事がないよう気を付けてあげましょう。
総合栄養食でないと栄養が心配?
手作り食だと栄養が偏るから心配ですといった質問をよくいただきます。不安な場合は栄養バランスの整った「総合栄養食」などのドッグフードとの併用がおすすめです。
例えばトッピングだけ~半々程度などが良いと思います。併用すれば大きく崩れる事はありませんし、安心の手作り食を与えることも出来ます。
お腹の健康維持にも配慮
愛犬たちが年をとってくると、それに伴い消化吸収機能も衰えてきます。運動不足や飲水量不足も相まって便秘気味になりやすくもなりますし、腸内環境の乱れからお腹がゆるくなりやすいです。
食べやすく消化のしやすい食事に変え、すこやかな腸内環境の維持のため、乳酸菌や食物繊維などを摂取し腸内細菌叢のサポートをしてあげるのも一つです。
ウェットフードやヤギミルクなどは愛犬の嗜好性も高く、便秘対策ともなる水分の補給と栄養補給にも向いています。
無添加の無糖ヨーグルトや食物繊維豊富な干し芋はお腹の健康に役立ちます。また愛犬用の手作り食材として利用できるおからや野菜類も食物繊維が豊富です。
太っている場合は脂肪か炭水化物を減らす工夫が必要
犬にとって脂肪は第一エネルギー源となり、最も効率よくカロリーとして利用できます。
またタンパク質と異なり、老廃物が少なく体にとってもクリーンなエネルギー源です。
シニアになるとどうしても運動不足になるため体重増加になりやすい傾向があります。肥満は足腰に負担をかけ、万病のもととなりますので、肥満気味のシニア犬の場合は体調に合わせながらカロリーを少し減らすようにしてあげましょう。
フードの種類を見直そう
ドライフードしかあげていないという場合は、フードの見直しをおすすめします。
シニアになると歯が弱くなってくる、食欲が落ちるなどもあり水分の多いウェットフード、手作り食、生肉など取り入れられる方が増えておりおすすめです。
シニアは喉の渇きを感じるのも鈍くなり、関節の痛みで動くのもおっくうなど、飲水量が足りていないケースが多くなると考えられます。
生食は水分も豊富で、生だからこそ吸収しやすい栄養素などもあるため、「生」に抵抗がなければ、シニアにおすすめなのはやっぱり生食です。
シニアにもおすすめのドライフード
ホリスティッククッキング
新鮮な生肉(高品質のたんぱく質)と低温加熱・低温乾燥、さらにノンオイルコーティングで素材の香りが活きています。
- 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランス
- 穀物は消化しやすいアルファ化された原料
- 安心の国内製造
- 小粒サイズでサクサク食感
- 低アレルゲンの食材使用
- ドライフード特有の嫌な匂いがしない
トライプドライ
お肉+内臓(グリーントライプ)で犬の食いつき抜群の食事
- 乳酸菌が豊富
- 穀物不使用
- ヒューマングレードの原材料
- 低温加熱で栄養素が生きている
AATU(アートゥー)
上質なお肉を80%使用
食物アレルギーに徹底配慮
- 動物性タンパク質を単一素材に
- 穀物、グルテン不使用
- 乳酸菌が豊富
- オメガ3を高配合
- ヒューマングレードの原材料
- 関節サポート成分配合
シニアにおすすめの高タンパク 生食レシピ
馬肉と手作り食材
シニア犬の消化に最適な生馬肉は特にオススメです。
- 安心安全なお肉の代表 馬肉
- 低カロリー高たんぱく
- 食いつき抜群
- 鶏肉や牛肉アレルギーのある子にも安心
馬肉と一緒におすすめ食材
- 発酵野菜
- オメガ3オイル
- 細かく切った野菜を茹でたもの
BONE(ローフード)
生肉、骨、内臓、発酵野菜が1つに
- ヒューマングレードの生肉
- カルシウム、ミネラルが豊富な生骨
- 豊富な栄養素内臓
- 発酵野菜入り
- 総合栄養食だからこれだけでもOK
- 噛む必要のないペースト状
ハウンドカム食堂レトルトシリーズ
低脂肪で消化にやさしいお粥フードのトッピングに
愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修
代表取締役 川瀬 隆庸
- 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
- 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
- ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
- 小動物栄養管理士認定
- D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
- 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
- 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了
愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。