ドッグフードの選び方ってどうするのがいいのか?
食事とは生きていく上での基本であり、決して軽視してはいけないものです。
愛犬のためのドッグフード選びに役立つ情報や、食事と健康の関係性についてお話させていただきます。
食事の重要性から考えるドッグフードの選び方
お勧めの食事はなんですか?
と聞かれたら私はまず生食をお勧めいたします。
生食には素材の栄養素が生きていて酵素や乳酸菌なども豊富でスムーズな消化を手伝ってくれます。
さらに生食の場合は非加熱で素材の栄養が残っているので添加物を添加する必要がないことが多いからです。
しかしながら実際生食(ローフード)や生肉を使った手作り食はコスト面であったり、保存面で負担が大きくなってまいります。
そうした面からドライフードが主流になるのは当然の事かもしれません。
ではドライのドッグフードを選ぶ時に何が重要になってくるのでしょうか?
主原料や添加物の有無、ヒューマングレードであるのか
穀物が使用されているのか不使用なのかなど多岐にわたってまいります。
またドッグフードに対するアンケート調査結果では71%のオーナーがフード選びで重視するポイントに「安心安全」をあげておられます。
その調査の中で何をもって安心安全の判断材料にしているかにたいしては上位3つは次のような結果になっています。
①原材料(63.3%)
…肉類、穀類などどのような材料を使用しているか②成分規格(61.7%)
…農薬、添加物、重金属などの含有基準値をオーバーしていないか③原産国(59.2%)
…国産品か輸入品か
ここでは帝塚山ハウンドカムが考えるドッグフードの選び方についてお話させていただきます。
添加物の有無について
現在は無添加ドッグフードと呼ばれるものが沢山存在します。
その無添加の定義はどこにあるのでしょうか?
たとえばビタミン類を添加しているとそれはすでに無添加でないということになるのであれば厳密には多くのドッグフードは無添加ではなくなってしまうのではないでしょうか?
ドッグフードの無添加の定義はどうなっている?
無添加ドッグフードと記載があっても実際に原材料を見ると「塩化カリウム」などの記載が多く見受けられると思います。
この「塩化カリウム」という表示をみるとなんだか科学的で添加されたように感じ、これって無添加じゃないんじゃないの?と感じるのではないでしょうか。
○○抽出分などの表記も同様に疑問を感じられるかもしれません。
無添加食品の定義
無添加食品は下記のどちらかに当てはまるものを無添加食品とされています。
1.食品添加物に分類されるものが使用されていない
2.天然に存在しない合成添加物が使用されていない
人工的につくられた添加物以外にも”天然に存在する”添加物というものが存在し、上記の2の定義である「天然に存在する添加物」であれば無添加ドッグフードとなります。
とすれば「塩化カリウム」は天然のカリ岩塩を精製して得るので、天然の添加物にあたります。
○○抽出物などでいくと「ローズマリー抽出分」などはローズマリー(マンネンロウ)の葉または花から得られた、カルノシン酸、カルノソール及びロスマノールを主成分として天然の酸化防止剤として使われてます。
この場合も食品添加物ではありますが、天然に存在するため無添加ドッグフードに使用できます。
このことから無添加ドッグフードは幅がとても広く、多くのプレミアムフードは無添加ドッグフードとして販売されています。
また吸収率を考えるとできるだけ自然な食べ物から栄養を摂るのが良いとされているので食べ物だけで作られ低温加工されているものがベストです。
危険とされる添加物とは
BHA
BHAは『ブチルヒドロキシアニソール』と呼ばれ、非常に強い抗酸化作用を持ち、マウスを使った実験では経口投与した数分後に死亡したという例もあり、発ガン物質であるとも言われています。
発がん性を危険視して厚生労働省は使用を禁止しようと試みましたが使用が続けられている酸化防止剤です。
基準値以内であれば安全であるといわれていますが、合成添加なので健康被害は長居時間経過がないとわからない点ではないのでしょうか?
天然由来の酸化防止策もあるのであえて「BHA」に頼る必要もないのではないかと思います。
BTH
BHTは『ジブチルヒドロキシトルエン』と呼ばれ、酸化防止剤として使用されています。
BHTに発がん性は認められていませんが、変異原性(遺伝子を持つ細胞を変異させることを指す)があり危険性を考慮してBHTを使用0しないメーカー・企業も増えています。
エトキシキン
エトキシキンは非常に強力な抗酸化作用があり防腐力が強いので海外のドッグフードには使われていることがあります。
日本では食品添加物としても農薬としても認可されたことがなく、毒性が強いので人間の食品での使用は禁止されています。
家畜や一部魚の飼料への添加は認められていますが、その飼料を食べた家畜や魚の体内の残留エトキシキンは厳しく規制されており、許容残留量は1ppmとされています。
しかしペットフードへの添加許容量はドッグフードだと75ppmでキャットフードだと150ppmとなっています。
私たち人間ですら1ppmにも関わらず、もっと体の小さい愛犬・愛猫に対しての許容量の大きさから危険視すべき酸化防止剤だと思います。
着色料
ドッグフードをおいしそうに見せるために赤や緑などカラフルにしているものがあります。
そもそも愛犬にとって美味しそうな色なんて必要ないですよね。
あくまでも飼い主である私たちに美味しそうと思わせるものであり愛犬には何のメリットもありません。
赤色○号~などの着色料は場合によってはアレルギーや発ガンなどのリスクも懸念されております。
わざわざドッグフードの色をつける必要はないので着色料を使用しているフードなどは避けるべきではないでしょうか。
その他危険な添加物
・ソルビン酸カリウム
・プロピレングリコール
・亜硝酸ナトリウム
・グリシリジン・アンモニエート
・没食子酸プロピル
などがあげられます。
大切で体の小さい家族に食べさせる毎日の食事だからこそ、危険性のあるような合成添加物などは避けるようにしてあげてください。
主原料の重要性
皆様はドッグフードを購入する際に、原材料欄の第1主原料はなにか確認されていますか?
原材料欄は含有量が多い順番で表記されています。
愛犬は人間と暮らすようになり、雑食に近くなったとはいえ、第1エネルギー源は脂肪・そしてタンパク質です。
このことから第1主原料はお肉類であるべきです。
しかしながら実際フードを量産するに安価に仕上げるために第一主原料を穀物にしているものも多数あります。
ドッグフード選びでこの第1主原料をしっかり確認するのは添加物の確認と同様にとても重要になってまいります。
第1主原料にお肉を使われているから大丈夫だ!
というわけでもありません。
○○肉副産物
この表記で書かれているものは肉以外の内臓類であったり骨類であったりが含まれており、
加熱・粉末化しています。
食べられないわけではないですけど、消化に良いものではないです。
安く仕入れることが出来きるため安価にドッグフードを作るためによく使用されることがあります。
4Dミート
4Dミートはよくドッグフードの選び方サイトなどでも目にすることがあるのではないでしょうか?
4Dとは以下の意味です。
DEAD=死んでいる
DISEASED=病気であった
DYING=死にかけであった
DISABLED=障害・ケガがあった
の頭文字をとって4Dミートとよばれております。
全てがネット上で批判されているようなことはないと思いますが、
農林水産省の「ペットフード用肉骨粉等の取扱いの見直し 」
の飼料の中には死亡家畜等はレンダリング施設に回っていることが飼料に記載されていました。
※レンダリング=肉以外の内臓や骨・皮などを熱加工して肉粉を飼料などに活用する工程のこと
「ペットフード用肉骨粉等の取扱いの見直し」
http://www.maff.go.jp/j/council/sizai/siryou/35/pdf/data9.pdf
引用元:農林水産省「ペットフード用肉骨粉等の取扱いの見直し」
このことから少なからずDEADのDは実際に存在していることがわかります。
家禽ミール・チキンミールなどと記載されている場合はこの4Dミートが混ざっていることも考えられますが
チキンミールと記載させているからといって必ずしも悪いわけではないです。
一部プレミアムフードでもこのようなミールの記載がありますが、
それは新鮮な鶏肉を乾燥させているだけのものもあるので一概にすべてがいけないというわけではございません。
チキンミールなどの記載ではなくただミートミールとしか書いていないものなどはそもそも何のお肉かすらもわからず不安感が残るのではないでしょうか。
肉粉・ミートミール
ドッグフードに使用されております肉粉・ミートミールについては、アメリカの飼料検査協会(AAFCO)の定義では「毛・ひづめ・血液・糞・胃(内容物を除く)・ルーメン(反芻動物の第1の胃)」をレンダリングしたもの。
ペプシン(胃に含まれている消化酵素)で消化できない残量物が12%以下でペプシンで消化できないタンパク質が9%以下とあります。
引用元:AAFCO
これは単純に健康的な食事として消化に良いものから外れてしまいます。
しかしながら愛犬が本来野生で獲物を狩って食する場合はこれらのものも全て食しているので一概に全てが悪いわけではないのかもしれないとも考えてしまう部分があるのですが、やはり高温加熱されているものであり、鮮度がどうなのかもわからず、保管方法や、輸送時に防腐剤を使われているなどを考慮するとやはり安心して与えられるものではないです。
安心できると考える第1主原料のたんぱく源の表記とは
プレミアムフードなどのでは肉類80%使用!
などのキャッチコピーがあり、その内訳でたとえば下記のように
「フレッシュチキン50% 乾燥チキン30%」
などの表記の場合は安心して使用できます。
ヒューマングレードと呼ばれる人間基準の原材料使用というのも安心できる要素のひとつではないでしょうか?
愛犬の食性を考えて生肉類を50%以上使っていて、タンパク質が30%含まれているものが理想的ではないでしょうか?
穀物類の使用不使用
グレインフリー(穀物不使用)が理想的と言う考えもあります。
確かに犬の唾液にはアミラーゼ(αアミラーゼ)がないのででんぷん(穀物・炭水化物)は消化できないといわれてきました。
これが穀物不使用が犬にとっていいという理由の大半ではないでしょうか?
さらに言えば製造コストを下げるためにお肉を少なくしてかさ増しのために穀物を大量につかっているフードなども、穀物不使用がいい!穀物使用のフードはだめだといわれる所以ではないでしょうか。
たしかにかさ増しのために大量に使用した穀物フードはアレルギーや肥満などのデメリットが出てくるのは否定できません。
「愛犬には炭水化物(穀物)を必要としない」
というのは本当なのでしょうか?
オオカミを祖とする犬は肉食であり、肉食動物はアミノ酸から糖を作る能力が高いため、炭水化物を摂取しなくてもアミノ酸から必要なエネルギーを得ることが出来るからです。
ただしそのためにはかなりのタンパク質を摂取する必要があるため、ドッグフードとしては肉類が大量のプレミアムフードに限定されてくるのではないでしょうか。
しかし犬は何万年も人と暮らし共存することで雑食へと変化を遂げています。
たしかに口内にアミラーゼがないため食べたその瞬間から消化はされていませんが実際十二指腸に達してから膵臓が分泌するαアミラーゼによってマルトースへと分解され、さらに小腸粘膜のマルターゼで単糖類へと分解されて小腸で吸収されます。
実は愛犬も膵臓からアミラーゼを分泌してデンプンを消化できます。
これは人間と共存してきて雑食に近づいている証拠ではないでしょうか。
さらにいえばドッグフードに入れる穀物類でもα化(すりつぶして加圧・過熱することで糊化)されているものであればさらに十分消化ができます。
人間であってもβデンプン(加熱していない生米)はうまく消化が出来なかったりします。
かさ増しのように大量に穀物を使用しているものでなく、栄養素などをバランスを考慮して穀物を使用しているものについては良いのではないでしょうか。
大量のものは血糖値をあげやすい性質があり、肥満やアレルギーの原因となります。
アレルゲンとして多くあげられるのは小麦などが有名です。
穀物不使用フードもすばらしいものが多く、愛犬が持つアレルギーやコストなどと相談をして愛犬にあったフードを選ぶようにしてあげてください。
○○がだめだという情報が多いのでこういった選定は非常に難しくあると思いますが何事もバランスのよい栄養素が大事であり、愛犬のドッグフード選びは安心できる品質といかに愛犬にあった内容かというところも重要視してあげてください。
穀物を使用しているという理由だけでそのフードを選定からはずすのではなく、その穀物がどうして使用されているかも見ていく必要があります。
特に愛犬の高齢化が進んだ今はたんぱく質だけに頼った食事をしていると腎臓病になる愛犬が増えてきているので質の良いたんぱく質と脂質に加えて腸内環境に配慮した食物繊維中心の炭水化物で栄養を摂るバランスの取れたドッグフードが理想です。
オイルコーティング
ドッグフードの中には特有の油くささがあると感じる方も多いのではないでしょうか?
ほとんどはフードの粒をオイルでコーティングしているからです。
このオイルコーティングの必要性はまず嗜好性をあげるためや、栄養を添加するためです。
高温加熱・高温乾燥処理を施すドッグフードのほとんどは素材が持つ栄養素やビタミン・ミネラル類が失われるため、総合栄養食とするために栄養を添加する必要があります。
よく原材料欄に「ミネラル類」などの記載があると思いますがそういったものを添加するためにオイルコーティングを行います。
ただこのオイルコーティングは油である以上酸化する速度も速くなることもあり、そのために酸化防止策を行う必要が強く酸化防止の添加も必要となってまいります。
オイルコーティングの全てが悪いわけではないですが、ただただ嗜好性をあげるためだけにオイルコーティングを行っているよりは、低温加熱などの手法で素材の栄養を残して添加物を必要としない素材の風味が生きるノンオイルコーティングのフードもフード選びの視野に入れていくのもよいのではないでしょうか?
生産国
ドッグフードの産地で言えばプレミアムフードと呼ばれるものは海外のものが多いと思います。
たしかに海外のプレミアムフードはすばらしくしっかりしたタンパク質量や優れた栄養バランスなど見ていて理想的だと感じるものが非常に多いです。
ただひとつ考えられるのは輸入にかかる時間や赤道の上を通過することでのダメージも懸念されます。
上記のような鮮度的な問題でのデメリットはあるのではないかと思います。
国産フードの場合はそういった時間経過などがなく、鮮度的な面であったり、ダメージ的な問題は少ないと思いますがコスト高が多いのがデメリットではないでしょうか。
ただ国産というところでの安心感は少なからず存在し、ドッグフードの選択基準のひとつにはなってくると思います。
まとめ
犬本来の食性というところでオオカミ時代の食事に近づけてというところが現在の色々なフードブランドの根本があると思うのですが、今回色々と書いた中に人間と共存し進化を続けてきている愛犬にとっては栄養バランスを整えたドッグフードも食事として良いものだと考えております。
穀物はよくないなどの情報は沢山目にすると思いますが全てを鵜呑みにするのではなく、ドッグフードのパッケージにある原材料などをしっかりと見て、製造方法・愛犬のアレルギーになっているものはないかなどを確認し、愛犬が美味しく食べて毎日元気でキラキラしているかを実感してもらうのが一番ではないでしょうか?
よりドッグフードを健康的にするために
冒頭の食事と健康について述べたように生の食事には酵素や乳酸菌などの良性菌が豊富に含まれており、非加熱の生肉には沢山の栄養素が含まれています。
また生肉は愛犬にとって良質なたんぱく源であり、消化に優れたたんぱく源でもあります。
毎日を生食にしたり、手作り食にしたりするのではなくこだわって選んだドライフードに時々生肉をトッピングしてあげるのもお勧めです。
帝塚山ハウンドカムが選ぶお勧めドッグフード
ホリスティッククッキング
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愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修
代表取締役 川瀬 隆庸
- 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
- 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
- ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
- 小動物栄養管理士認定
- D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
- 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
- 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了
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