膵臓

犬の膵炎(すいえん)|ドッグフードや食生活の考え方~本当に低脂肪にするだけでよいの?~

犬の膵炎(すいえん)|ドッグフードや食生活の考え方~本当に低脂肪にするだけでよいの?~

最近膵炎(すいえん)になる子が増えてきています。
お客様よりご相談を頂くことがここ2、3年で倍以上になったのではないでしょうか。

愛犬の膵炎の原因には食生活が大きく関わってきています。

今回は皆様がお悩みになる膵炎と食事について私見を交えてお話させていただきます。

膵臓の働き

犬の膵臓は胃や十二指腸近くにある臓器で「膵液(消化液)」を作って、膵液を十二指腸へ送り出します。
その膵液にはタンパク質分解酵素・脂肪分解酵素・炭水化物分解酵素などの消化酵素が含まれていて、膵液が十二指腸へ送られることで食べ物を消化してくれます。

他にも膵臓は、血糖値の上下を調節するホルモンを分泌する役割も担っています。

犬の膵炎とは

膵炎は消化器官の一つである膵臓におこる病気です。

膵臓という臓器は栄養を消化する膵液(消化酵素を含む消化液)を分泌する働き(十二指腸に流れて消化力を発揮。)とインスリンなどを分泌する働きがあります。

この膵液を分泌する働きの疾患として膵炎があります。

膵炎には急性膵炎と慢性膵炎があり、愛犬がかかりやすいのは急性膵炎になります。

犬の急性膵炎

急な下痢・嘔吐・発熱・腹痛などの症状がでてきたら急性膵炎の可能性が高いです。
ご飯を食べなくなったり、黄色い液体のような便や血便が出ることもあります。

フセの体勢でお尻だけ持ち上げるポーズをすることもあり、これは、腹部が床で圧迫されると激しく痛むからです。

本来十二指腸で働く膵液が膵臓内で働くことが膵炎の原因になるといわれています。

急性膵炎の多くは低タンパクで高脂肪、添加物の多いドッグフードや、ジャーキー類を多く与えるなど食事による原因が高いといわれています。

もともと脂肪の消化が得意である愛犬にとって膵炎になるということは、よほどの高脂肪であったり、乾燥したジャーキーなどの品質の低下や酸化が考えられる脂肪を大量にあたえていたのではないでしょうか。

犬の慢性膵炎

急性膵炎が完治したと重い、元の低タンパクで高脂肪、添加物の多い食生活やストレスなどで再発を繰り返し慢性膵炎になることがよくあります。

慢性膵炎は長期に及んで下痢や嘔吐を繰り返す状態で、高脂血症や、膵炎の悪化で膵臓に負担がかかり続け糖尿病などを併発することもあります。

急性膵炎がよくなったからといって、極端な制限や極度に与えるなどはせずに、良質なものを適量が重要です。

膵炎になる原因

遺伝

遺伝的にミニチュアシュナウザーは脂肪代謝異常で、膵炎が起こることがあると言われています。

ほかには免疫介在性疾患や無菌性結節性脂肪織炎を持っている子も膵炎の原因になることがあります。

生活

生活空間で口にしてしまうものが原因になることもあります。
殺虫剤など毒物や、そのほかにも治療に使う薬などを口にしてしまうことで膵炎を発祥する可能性が高いです。

また散歩中に落ちているものを拾い食いしていまったり、生ゴミをあさって食べてしまうなども問題点ではないかといわれています。

この落ちているものや生ゴミとなると、やはり酸素にふれて酸化がおこなわれているため品質の悪い、いわばサビを取り込んでいる状態に近いのではないかと考えられます。

食事

先ほども記載したような高脂肪のドッグフードやジャーキーを食べ続けたり、人間用の揚げ物を沢山与えたりなどがきっかけとなり発症することが多いです。

ここからは私見ですが、膵臓は消化をおこなう膵液を出すために活発に動くわけで、消化に負担のかかるようなものを食べるということはそれだけフル活動で愛犬の膵臓を酷使することになります。

高温加熱のドライフードやジャーキーで消化に負担がかかるようなものを長期的に続けるのであればそれらが高脂肪でなくても、もしかすると原因の1つにつながるのではないかとも思っています。

また穀物類なども消化が苦手とされているため、穀物主体で肉類の少ないフードなんかも負担がかかっているのか?

そのあたりも問題になるのかをしっかりと調べてより情報を豊富にしていこうと思っています。

膵炎の子の食事

柴犬

初期段階で愛犬が膵炎と診断された場合は短期絶食をすることがほとんどです。

炎症の治まりとともに食事を少しずつ与えますが、できるだけ消化にスムーズな低脂肪のドッグフードがお勧めとなってきます。
しばらく低脂肪の食事で一見完治したように見えますが、だからといってこれまで同様の食事を続けるとすぐに再発し、慢性膵炎になる可能性が高くなります。

また慢性膵炎の場合は、薬などの投薬治療もありますが、食事でしっかり管理してあげることで出来るだけ薬を摂らなくても大丈夫にしてあげることが1番です。

通常は上記のように対処するのが一般的です。

膵臓への負担の少ない食事は、

・低脂肪
・消化が良く高品質のたんぱく質
・糖質が少ない

といわれています。

様子を見るためにこれらの食事を与えていくようにするのはよいと思います。

手作り食であれば馬肉や鹿肉、鶏のササミなどの低脂肪の物を高温で長時間加熱していないものを使うことで、消化性をよくして与えてあげてください。

おやつは人間用の砂糖などを使っていない素朴なクッキーやボーロ、野菜などのおやつにしましょう。

間違っても消化に負担がかかる高脂肪のジャーキーなどには注意してください。

たびたび私見にはなるのですが膵炎になるとお米主体で脂質などを減らすのを見かけることがあるのですが、発生中や回復食としてはそれらも負担軽減のためによいのではないかと思います。
しかしながら長期的な継続となると、ひたすら膵臓に得意分野でもない炭水化物を消化するための膵液を出し続けさせることになるので、それもまた負担になるのではないでしょうか?

膵炎の悪化から糖尿病になることもあるため、そうなった時ははたして糖質である炭水化物を取り続けることが有効なのか?
膵炎のため炭水化物中心で食事を与え続けたため、血糖値を調整するホルモンがうまく働かなくったりりインスリンの調整ができなくなったりなど色々と考えてしまいます。

とにかく低脂肪であればいいの?

低脂肪であればなんでもいいというわけではございません。

脂肪の品質も重要な要素となってきます。

・酸化した脂肪

脂肪は酸素にふれることで酸化していきます。

酸化した脂肪はいわゆるサビの状態です。
サビは毒ですので、愛犬の膵臓ににダメージを与えまう可能性が高いです。
そのため古いフードはさけ、特にドライフードは常に与える前に匂いを確認して油の酸化したツンとした匂いがしないものを与えてください。

・中性脂肪やコレステロールを増やす脂肪
品質の悪い動物性の高脂肪は中性脂肪やコレステロールの数値を上げるため、膵炎の愛犬には低脂肪以外にも脂肪の質も注意してください。

膵炎の予防にもよいオメガ3脂肪酸などを積極的に与えてあげてください。

ただ第1エネルギー源であるといわれる脂質を極端に制限し続けるのは弊害もあるのではないかと考えています。

脂質が不足することで、被毛の艶やかさがなくなったり、フケが出やすくなり信仰して皮膚病になる可能性も考えられます。

そのため、ある程度極端な制限がおこなわれた後でも、品質の高い良質な脂質を少量づつ与えてあげることで、愛犬の膵炎の再発防止や皮膚やその他の健康維持にも勤まるのではないでしょうか。

もちろん第1エネルギー源だからといって一度愛犬が膵炎になっているわけなので同じような生活で極度に高脂肪を取り続けるのはNGです。

最後に

色々と愛犬の膵炎や愛犬の膵臓のことについて書いてみました。

獣医さんが推奨することや一般的なことや、人間に当てはまる情報などです。

た、私見で書いたように疑問となる点も多くあるため、質問が増えているこの愛犬の膵炎について論文などの情報を集めよりよい情報をお伝えできるようにします。

膵炎の予防にお勧めの食事

鹿肉シリーズ

低脂肪・低カロリーなお肉です。低脂肪ですが完全に脂質がないわけではなく良質なものになります。
また良質のタンパク質とオメガ3・オメガ6・DHAなどの多価不飽和脂肪酸が多く含まれています。冷凍生肉は酸化の心配がなく高品質で消化に優れたたんぱく源です。


鹿肉シリーズの購入はこちらから
鹿肉シリーズの購入はこちらから

健康オメガ3オイル

DHA・EPA・ビタミンE・ビタミンDなどを豊富に含んだオイル


健康オメガ3オイル
活性オメガ3オイルの購入はこちらから

低脂肪で膵臓に優しい7食セット

7種類全てあわせて分析センターで検査を行い、
脂質が1.7%という結果になっております。

愛犬が膵炎などで脂肪の制限をされておられる時にお勧めの低脂肪愛犬用手作り食です!


低脂肪で膵臓に優しい7食セット
低脂肪で膵臓に優しい7食セットの購入はこちらから

愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修

株式会社帝塚山ハウンドカム 代表取締役 川瀬 隆庸と看板犬いわて
株式会社帝塚山ハウンドカム
代表取締役 川瀬 隆庸

  • 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
  • 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
  • ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
  • 小動物栄養管理士認定
  • D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
  • 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
  • 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了

愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。

関連記事

  1. 愛犬愛猫の高脂血症
  2. 愛犬のアレルギー の原因と食事
  3. 愛犬の目やに・耳あか・体臭は体内からのSOS!
  4. 愛犬のお散歩でノミ・ダニ・蚊・虫が気になる季節!体に無害で愛犬の…
  5. 【獣医師が解説】ペットの病気編: テーマ「すい炎」
  6. 暑さに弱い愛犬のために、熱中症と夏バテの違いを知ろう!
  7. 今日からできる!愛犬の関節トラブル3つの対策
  8. 【獣医師が解説】ペットの病気編: テーマ「抗がん剤と自宅ケア」
ホリスティッククッキング

新着記事

獣医師が解説

食事の記事

馬肉小分けトレー
老犬馬肉
PAGE TOP