目次
愛犬にフードローテーションは必要か?
フードローテーションとは?
愛犬のフードローテーションとは一定期間ごとに食事(ドッグフード)を変える事です。
変えるのは例えば同じブランドのシリーズのチキン味からビーフに変え、次はフィッシュ、その次にまたチキンに戻す等です。
ドッグフードを全く変えて、数種類ローテーションするしまう(ブランド、メーカー、原産国などを全く変えてしまう)ローテーションもあります。
フードローテーションのメリット
栄養バランスの偏り対策(栄養面)
総合栄養食のドッグフードであっても、原材料はそれぞれ商品によって異なります。栄養基準で足りないものはビタミンやミネラルなどの添加物で補われ、「総合栄養食」の基準を満たすように設計はされておりますが、フードによって栄養成分の特長があります。(例えばタンパク質が多い、脂質が高め、ナトリウムが高め、リンが高いなど)
1つのフードを何年も何年もずっと同じものを食べ続ける・・人間でいえば毎日同じ献立を食べ続ける事(栄養基準で不足はない)になります。特定の栄養素が長年蓄積されるなどのリスクも考えられます。
鶏肉には鶏肉の良さが、魚には魚の良さ、豚肉には豚肉の良さがある子とは皆さんご存知かと思います。時々メインとなるフードの原材料を変えてあげる事で、そういった「それぞれの良さ」と「特定の栄養素の長年の偏りリスク」を避けるというものです。
食いつきの為に(味変)
時々フードの味に変化を持たせることで、食いつきが良くなるケースがあります。
食物アレルギーの回避
アレルギーが出始めるのも様々で生まれつきの場合もあれば 3才になって急になど愛犬によってそれぞれです。
その原因の一つに同じ食物を食べ続ける事で発症するケースがあります。
花粉症で有名な話ですがアレルゲンの許容量が決まっていてそれを超えてしまうと体が敵とみなして異常に反応してしまいます。
チキンアレルギーの愛犬が多いのもチキンがアレルギーが出やすいのではなくチキンベースのドッグフードが多く食べ続けていることでアレルギーが発症してしまう一面があります。
そのリスクを考えて愛犬のフードローテーションがいいのではないかと考えられました。
もしもの時のために
●ずっと食べていたフードが終売などで手に入らなくなった
ある特定のフードしか食べなくて困った・・という状況を避ける利点となります。
フードというのは例えばAというフードでは下痢をしてしまう、など、体質によって合う合わないが出て来る時があります。
あらかじめ複数のフードを食べることが出来る状況を作っておくことは、愛犬の食に対する柔軟性の確保や、もしもの時の安心につながります。また、普段から何種類かの食事との相性を見ておくと、この子はこの●●という原材料がどうも体に合わないみたいだ、などの情報も得ることが出来る事があります。
フードローテーションを無理なくするには?
フードが劣化しないように注意
ドライフードを主食としている場合、毎日フードを変化させるのは開封したドッグフードを幾つも持たないといけない事になります。
開封後、食べきるまでに日にちが余分にかかってしまうのは、フードの酸化(劣化)の問題からみても望ましくありません。開封後はは1か月程度で食べきれる方が良いと言われています。
開封後時間のたったフードは、美味しさの低下だけではなく、フードの栄養低下、脂肪の酸化など体に良くないものが蓄積していってしまい、それが原因で健康トラブルが起こる事も考えられます。
無理なくフードをローテーションさせるには
●8ケ月程度でフードの主原料を変更していく。
一説には3ヶ月ぐらいとの説もありますが3年ぐらいで切り替えでも可能とも言われており様々のようです。
●ローテーションはせずにトッピングを与える。
この2つがオススメです。
毎日食事を変えなくてもこの方法で蓄積されるアレルギーの発症をかなり抑えることができると思います。
フードローテーションは必要か?
それでは実際にフードローテーションは必要なのでしょうか?
愛犬はフードに飽きるのか?食物アレルギー予防になるのか?
「うちの愛犬はもう6年も同じドライフードを食べていますがアレルギーひとつありません。」
そうしたお声を聞くことも多いです。
●蓄積によるアレルギーは回避できても フードを変える事で本来持っているアレルギーのものを食べるリスクがあるので同じものでよい。
●犬は味を感じる味蕾が味覚が人間の1/5しかなく、塩味もほとんど感じないので人間のように飽きない。
といった意見もあります。
しかし、人間でも鼻が詰まっていたら味がわからなくなるのですが犬の嗅覚は人間の何千倍とも言われています。
一説には散歩でクンクン匂いを嗅いでいろんな情報を得ることができる嗅覚があるのですからいろんな匂いの食べ物をあげるのも愛犬の楽しみとならないでしょうか?
「食べないから飽きた」と判断するのは間違いかもしれません。しかし、いろんな香りで楽しませてあげるという観点もあるとは思いませんか?
同じフードでもトッピングで栄養を補ったり、香りを変えたりする事でストレス解消につながるかもしれません。
余計なストレスを与えないのもアレルギー発症を防ぐのに役立ちます。お試し下さい。
愛犬は良いものを食べたら今までのものは食べなくなるという心配?
「すごいご馳走の肉を食べたら今までのフードを食べなくなった」
というような話を聞いたことはないですか?
愛犬を2匹飼っていて、時には極上のお肉を食べさせますがそのような経験はありません。
2匹中1匹は1日2回の食事の1回を、時には丸一日食事をパスするほど食欲のない時期が頻繁に訪れますが元気だとまったく心配していません。
ただ、食べないからといってかわりに食いつきの良い食事をすぐに出すという事はしないように注意はしています。(愛犬に食事の主導権を握らせない為)
もうすぐ10才になりますがご馳走を食べて今までのフードを食べなくなったというのは私の愛犬ではありません。
今までのフードを食べなくなる心配は飼い主なら誰もが抱く感情ですが、一度いろんな食事を試すことをオススメします。
同じものを食べ続けるアレルギー以外のリスク
では、フードローテーションをせずに同じものを食べ続けるアレルギー以外のリスクを考えてみましょう。
愛犬は年齢とともに自分で合成するビタミンCなどの能力は落ちます。
運動量も減って食事の量や必要なたんぱく質の量や比率も考えなければなりません。
また腎臓や膵臓などの深刻なダメージによりドライフードは控えた方が良いと判断する獣医さんも実は少なくありません。
そんな時に手作り食や生食(生肉)を試そうにも10年以上同じドライフードを食べ続けてそのフードしか消化してこなかった消化器がビックリする可能性があります。
高齢犬になるほど良質のたんぱく質、良質の脂質が必要です。
良質なたんぱく質、脂質とは高温加熱を加えていないものなのでドライフードはこれに該当しません。
まとめ
昔に比べるとドライフードの品質も上がり、低品質ドライフードが原因のアレルギーは減っているのが現状です。
その分、他の原因によるアレルギー(腸内環境起因やハウスダスト、ノミ、花粉、アトピーなど)は増えてきています。
フードローテーションはしなければいけないと言うより、した方が良いかな?といった感じでしょうか?
ただし普段から良質のたんぱく質、脂質をある程度食べることは、将来や若い時でも免疫力、健康維持につながるのでドライフード以外の良質の副食もオススメいたします。
普段から自分のの愛犬は何なら食べるのか?何なら喜んで食べるのか知っておいてあげると将来、役立つと思います。(スタッフ田代)
あわせて読みたい
愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修
代表取締役 川瀬 隆庸
- 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
- 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
- ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
- 小動物栄養管理士認定
- D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
- 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
- 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了
愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。