「うちの子は膀胱炎になってしまい、そこからストルバイト結石になりかけていると病院で言われました。結石の子にはどんな食事がいいのですか?」
「ストルバイト結石です。運動をして、水をたくさん飲むように言われましたが、どちらもできません。どうすれば?」
目次
犬の結石の80%はストルバイト結石またはシュウ酸カルシウム結石
現代、日本に住んでいる犬の結石の80%はストルバイト結石またはシュウ酸カルシウム結石と言われています。
今回の記事ではストルバイト結石についてのお話となります。
感染予防
ストルバイト結石の原因のほとんどは膀胱炎などの細菌から感染によるものと考えられておりますので、感染を食い止めることは結石の予防につながることになります。
膀胱炎の感染予防対策としては
・尿道口(おしっこの排出場所)付近の清潔を保ちましょう。
・「免疫力」の維持
・水分をしっかり摂る
・おしっこを我慢させない(したい時に出来る環境作り)
・栄養バランスが摂れた良質な食事
・適度な運動
・ストレスを減らす
・飲水量が減る冬は特に注意
・膀胱結石による膀胱の粘膜への刺激も発症の要因となります
おしっこをお散歩のときまで我慢させるのは良くありません。しっかり水分を摂り排尿を促すことは、細菌の定着を防ぎ膀胱炎対策の基本のひとつとなります。
例えば下痢などをしていて尿道口が汚れやすいなどがある場合は、下痢の対策が可能そうであればしてあげて、また清潔に保つ為に洗う・拭き取るなどしてあげましょう。
バランスの良い食事
結石は偏った食事内容では再発を起こしやすくなります。
尿結石の成分はマグネシウムやリン、カルシウムなどのミネラルで、偏ったミネラル摂取・または過度な制限(不足)をすると結石(結晶)ができやすくなると言われています。
例えばストルバイトにはマグネシウムの制限がいいと考えられていますが、制限しすぎる事はシュウ酸カルシウム結石になるリスクが上がるのではないかと考えられています。
ミネラルは多く摂るとか制限するのではなく、バランスが大事です。
ストルバイト結石の子は「アルカリ尿」にずっとなり、アルカリ性では溶かしきれない結晶ができていきます。
だから「肉」を与え尿を酸性にし、溶かしてしまえば簡単なのですが、それだけではバランスが崩れてしまいます。
当サイトは「生食」が本来の犬・猫の食事であるという考えなので、総合栄養生食をおすすめします。高たんぱくで、ドライフードよりも水分が多いために自然と水分も補給でき、結石の予防にも感染中にも大きく効果があります。
水分をしっかり摂らせる
人間が結石になれば食事制限よりも、運動と水を飲むことをお医者さんから言われると思います。犬・猫に運動しろ、水をいっぱい飲めと命令しても聞いてはくれません。そこは飼い主様の努力と工夫です。
飲水量が多いと薄い尿がたくさんでき、たとえ結石(結晶)が出来たとしても小さいうちに尿と一緒に排出することが出来ます。
水を飲まない子には、ウェットタイプや手作り食などの水分の多い食事にする、フードをふやかす、飲み水のサポートとしてヤギミルクやおいしいおスープ(お肉や魚の煮汁などの活用)を作ってあげるなど、水分が摂れる工夫をして下さい。
結石と免疫力の関係
ストルバイト結石の子は免疫力が下がっているので内臓の体温が低く、体内の水分や血液が温まらなくなり、体の循環が悪く体が冷えています。そんな状態では水を飲みたがりません。
まずは免疫力を上げること!
これは太陽下での運動(散歩)が大きく関わってきます。真夏でない限り、外に連れ出すことは必須です。
足が悪く運動ができない子でも、いろいろなニオイを嗅ぐことだけでも脳の活性になり、免疫力アップにつながります。
免疫力と腸内環境
高い免疫力を維持するには腸内環境の健康が一番大事だといわれています。
腸内環境は善玉菌が多く、悪玉菌が少ない状態がベストです。
善玉菌を増やすには食物繊維や発酵食品を食べることが良いのですが、腸内細菌には善玉菌や悪玉菌の他、どちらにも分類されない日和見菌が多く存在して増えた方に味方します。
もし悪玉菌が増えると日和見菌がそちらに味方し腸内環境はより悪くなります。
便は水分を除くと1/3が腸内細菌の死骸、1/3は腸壁細胞の死骸、残りの1/3が食べ物の残骸です。
つまり2/3は腸内細菌や細胞に関わっています。便が少ないというのは腸の働きが悪いとも考えられます。
善玉菌を増やすには乳酸菌や発酵食品を摂ること以外に、添加物の多い食べ物を避け自然なファイトケミカルをたっぷり含んだ食べ物を積極的に摂って下さい。
ファイトケミカルとはポリフェノールであるアントシアニン(ブルーベリー、ナス)、イソフラボン(豆類)などの機能性成分です。
愛犬の場合ドライフードより手作り食などの活きた栄養素を摂取することで腸内環境は必ず変化します。
ぜひ実践みて下さい。
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愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修
代表取締役 川瀬 隆庸
- 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
- 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
- ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
- 小動物栄養管理士認定
- D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
- 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
- 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了
愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。