愛犬の腎臓に問題があるとわかったら
腎臓の最も重要な働きは老廃物を除去して尿を作ることです。
そして腎臓がダメージを受けると腎臓の濾過機能が低下しその老廃物が血中に流れ出てしまいます。
『定期健診を受けたら腎臓に問題があると言われました。』
『病院にいったら腎臓に問題があると言われました。』
このようなご質問をよくいただきます。
定期健診を年に一度受診されていて問題が見つかった場合は軽症で愛犬はいたって元気なんですが・・・
といってご相談に来られるケースも多いです。
まず確認させて頂くのが12時間の絶食後(水のみ)で検診を受けられたか?
食事の影響で数値が一時的に上っている場合も考えられます。
数値は一般的にクレアチニンとBUN(尿素窒素)、尿検査の尿比重の値で見られる場合が多く
クレアチニンとBUN(尿素窒素)の数値が高いと血液検査、尿検査、血圧検査、レントゲンなどを定期的に検査をする事になります。
尿検査の尿比重が低ければ多飲多尿などによる腎臓病の疑いが強まることになります。
また、クレアチニンはほぼ正常なのにBUNの値が大きい時などは腎臓以外の原因も考えられるので注意が必要です。
セカンドオピニオンを受ける意思があるか?
信頼できる獣医さんが決まっているなら特にお勧めはしませんが生活が一変する大事な決断の時です。
獣医さんによっては療法食を勧められる場合や軽度の場合はサプリメントから、ずっと手作り食で生活している愛犬だったら食事のアドバイス。
手作り食で焼くものを煮て茹で汁を捨てるだけでリンを40%カリウムを50%程度除去する事が可能だったりします。
獣医さんの治療方針も様々です。納得のいく受診をしてください。
クレアチニン(CRE)とは
クレアチニンとは筋肉へのエネルギーの源であるクレアチンリン酸が働きをした際にできる老廃物がクレアチニンです。
クレアチニンの数値が上がるという事は腎臓の濾過機能が低下している事を表します。
ただしクレアチニンの数値は筋肉の量が多いと数値も高くなるため筋肉の多い愛犬と少ない愛犬では数値だけ比べて一概に以上だと言えない側面も持っています。
犬の慢性腎臓病の病期分類 クレアチニン
ステージ 分類 |
残存 腎機能 |
血液検査 (血清CREA値) |
臨床症状 |
---|---|---|---|
ステージ1 | 33%~100% | 正常 1.4 mg/dl未満 |
臨床症状なし、たんぱく尿 |
ステージ2 | 25%~33% | 正常〜軽度 1.4〜2.0mg/dl |
なし、もしくは軽度 症状は多飲多尿がよく見られる |
ステージ3 | 10%~25% | 軽度〜中程度 2.1〜5.0mg/dl |
さまざまな臨床症状 (胃腸障害・食欲不振・嘔吐・脱水・貧血など)が見られる |
ステージ4 | 10.0%以下 | 重度 5.0< mg/dl以上 |
重度の高窒素血症、全身性の臨床症状 尿毒症 |
CREA=クレアチニン
腎臓は回復する事がほとんどできないためステージをいかに進ませないかが大事です。
病院への定期的な検診ももちろん必要ですが良質な食事と体重管理が非常に大事となります。
クレアチニンはアミノ酸が分解された後にできるためたんぱく質の摂取がカギとなりますが近年では低たんぱくだけを考えずいかに消化吸収の良い良質なたんぱく質を体重維持分だけ他の栄養素と一緒に摂ることが重要とされています。
良質なたんぱく質とは熱を加えていない、酸化していない、生肉やローフードが最適と考えられています。
BUN(血中尿素窒素)とは
BUNとはたんぱく質の代謝産物である老廃物で肝臓でアンモニアと二酸化炭素を元に作られます。
通常は尿として排出されますが腎臓の濾過機能が低下すると血液に流れる事となります。
BUNは低ければ肝臓の病気、高ければ腎臓の病気の可能性があります。
BUNはBUNの基準値は8~20mg/dlですが慢性腎臓病のステージ1ではBUNの値は正常であることが多いと言われています。
ですから早期発見の為の検査ではあまり参考にならない場合があります。
肉を沢山食べたり、極度の空腹状態、脱水状態、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などでの出血などでも数値はあがります。
腎臓に優しい食事
若く健康に問題のない時は気にしなくていいのですが、腎臓が弱ってきた場合は食事に気をつけてあげる事で負担を減らしてあげることが出来ます。
もちろん主食だけでなく、おやつもこれに含まれます。
○低リンで消化に良い食事
○タンパク質は良質なものを(体重が増加するほど与えず)
○栄養バランスもよく高栄養なもの
○腸内環境に良いもの
○オメガ3脂肪酸
○水分を適切に摂る
なぜ腸内環境に良いものか?というと、その理由は、腸内では肝臓や腎臓の負担となる物質も作られるのですが、環境が良いとその物質が少なくなるからです。
単に低リンで、タンパク質を過剰にならないようにする、消化によく質の高いものを食べるだけでなく、お腹に配慮してあげることでもケアが出来ます。
※悪玉菌はインドールという腎臓にダメージを与える元となる物質を生産するものがいます。
乳酸菌などの良性菌は生産しないため、腸内環境を良好に保ってあげること自体も肝臓と腎臓にやさしい体づくりの一つとなります。
※インドールは肝臓でインドキシル硫酸となり腎臓を老化させてしまいます。
おやつのジャーキーは少量でもできればやめてクッキーやボーロ、フルーツなどがお勧めです。
軽度の場合は水分を充分摂って軽い運動もしっかりする事も大事になります。
どれもバランスよく、ということが大切になってきます。
低リンで腎臓に優しいAセット |
低リンで腎臓に優しいBセット |
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腎臓をいたわるのにお勧めアイテム紹介
腎臓を考慮して作られた療法食
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腎臓病でもおやつを少し食べさせてあげたい
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あわせて読みたい腎臓ケアに関する情報
愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修
代表取締役 川瀬 隆庸
- 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
- 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
- ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
- 小動物栄養管理士認定
- D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
- 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
- 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了
愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。