関節を形成する骨は軟骨におおわれ、クッションの様に衝撃を和らげて関節を滑りやすくしています。この軟骨が擦り減ったり、過度に負担がかかったりすることで、炎症を起こし痛みを発症します。
まずはチェック!こんな症状ない?
- 階段などの段差を登りたがらない
- 抱っこをしたら、突然キャンキャン鳴く
- 散歩のとき、遅れてついてくることが多い
- 立ち上がるときにヨタヨタしている
- 歩きたがらない・遊びたがらない
上記にチェック症状があれば早期対策が大事!!
犬・猫は痛みに強い動物です。
犬や猫は痛みに強く、多少の痛みでは気づきにくく、突然急に歩けなくなるという場合もあります。
また、すぐに痛みに慣れてしまい日常生活を送ってしまうこともあり、症状を悪化させてしまいます。愛犬・愛猫を見て「なにか気になる・・・」と思ったら、激しい運動を避け、しばらく安静にしながら生活環境の見直しやサプリメントなどを与えるなど重度にならない対策をしてあげて下さい。
主な関節疾患
股関節形成不全とは
股関節形成不全とは、「股関節寛骨臼の発育不全・変形、大腿骨頭の変形・偏平化による股関節の弛緩」のことです。
簡単な言葉で言い換えると、体と後足をつなぐ最も重要な股関節部分に緩みと変形が生じ、痛みのために犬が自分の体重を支えきれなくなり、歩けなくなってしまう病気のことです。
股関節形成不全になりやすい犬種(大型犬が多い)
ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、
そしてバーニーズ・マウンテン・ドッグ等
フレンチブルドッグや小型犬種での発生もあります。
膝蓋骨脱臼とは
膝蓋骨とは俗に言う「ひざのおさら」の骨を意味しています。アーモンド状の一つの遊離した骨として認められていますが、膝を伸ばしたり曲げたりするときに働く靭帯を、ずらさずにスムーズに動くようにしている骨です。
実際には大腿四頭筋、そして膝蓋靭帯という軟部組織と共に膝関節を伸ばす運動を行っています。膝蓋骨脱臼は膝蓋骨が大腿骨滑車という部分から脱落し、膝関節の機能障害を生じているものです。
膝蓋骨脱臼になりやすい犬種(小型犬が多い)
ポメラニアン、チワワ、プードル、マルチーズ、テリアなど
椎間板ヘルニアとは
犬の脊椎(背骨)は頚椎(7個の椎骨)、胸椎(13個の椎骨)、腰椎(7個の椎骨)、仙骨の4つの部分に分けられ、管状の椎骨が強い靭帯によって結合された組織で、椎間板と言われる繊維組織が椎骨間のクッションになっています。
椎間板はコラーゲンとゼラチン質から形成され水分の富んだゼラチン様の髄核とその髄核を包むらせん状の繊維輪(多層繊維状組織)から構成されていますが、髄核のゼラチン質の成分含量などは犬種によって違いがあり、椎間板ヘルニアの発症しやすさと関係があると考えられています。
犬が四肢で歩き運動するときの衝撃は脊椎に対してほぼ直角に加わります。、脊椎は、管状組織の中に脳からの指令を全身に伝える大切な神経系が通る脊髄も保護していますので、椎間板は運動の衝撃を和らげるためにクッション変わりとなって加わった圧力を分散しているのです。
しかしその椎間板がいくつかの原因、要因によって衝撃を分散できず突出(ヘルニア)してしまうと、脊髄や神経根を圧迫し大きな痛みを引き起こし、神経性の運動障害がもたらされます。
椎間板ヘルニアになりやすい犬種
目立ってなりやすい犬種=ダックスフンド
急性に発症するハンセンⅠ型椎間板ヘルニアになりやすい犬種=フレンチブルドッグ、ビーグル、ペキニーズ
慢性的に経過し悪化するハンセンⅡ型椎間板ヘルニアになりやすい犬種=大型犬種
高齢犬なら変形性脊椎症という疾患も
高齢犬ならば椎間板ヘルニアに症状が似た変形性脊椎症という疾患もあります。年齢・体格・骨格などそれぞれに考慮した予防対策が必至!
今日からできる!関節トラブル3つの対策
愛犬・愛猫を取り巻く環境はここ50年ほどで大きく変化しました。愛犬・愛猫は共に生活する家族の一員です。
しかし、その生活環境は関節疾患の危険性を大きくしている場合があります。生活環境と関節疾患は大きく関係しています。
見直し1:フローリング中心の硬くて滑りやすい住環境
フローリングや畳など滑りやすい生活環境は、愛犬・愛猫が最も多くの時間を費やしている関節トラブルのリスクです。
クッション性も低い為、関節への衝撃は必須です。
愛犬・愛猫の住空間へ、タイルマットやカーペットを敷く、又、滑り止めワックスを塗る、滑り止め付きの靴下なども考慮してあげてください。
特にまだ筋肉の発達していない仔犬や、筋力の低下する老犬は、フローリングでの住環境は、十分配慮してあげてください。
見直し2:階段やソファの上り下り、2本足でピョンピョン跳ねる
愛犬が喜んでぴょんぴょん2本足で上下運動しながら跳びついてくるしぐさ、よくしませんか?
実は、この上下運動の繰り返しも足腰に負担をかけています。特にダックスやコーギーなどの胴長犬には、お勧めできません。
足腰を守る為にも、しつけとして、この行動を抑制するようにしてあげてください。
ソファーやベッドにはスロープなどつけましょう。
見直し3:運動不足とコンクリート、舗装された硬い地面
関節部の回りにはそれを支え、保護する筋肉が覆っています。しっかり筋肉をつけ関節への衝撃や脱臼を防げるようにしましょう。
土の上はクッション性も高く、関節に優しい為、そのような場所を選びながらのお散歩がお勧めです。
平面だけでなく、適度な坂道なども利用して強固な筋肉作りをしてあげてください。
体は、毎日の運動があってこそ、脳から強い筋肉や骨を作る指令が出て、栄養の吸収率が高まり、強い骨や筋肉を作ります。
サプリメントや栄養満点の食事だけでは、本当の強い筋肉や骨はできないのです。
食生活にも注意!
加工食品中心の食生活やおやつの与え過ぎは栄養バランスが崩れて健康的ではありません。
強い骨・筋肉作りのためにはバランスの良い食事と運動がとっても大事
投薬や手術による治療法は?
病院で処方される痛み止めでは原因は改善されません
一般的に関節トラブルで投与されるのは、痛み止めです。
しかしそれは一時的対処療法で、痛みが治まったからと痛めた患部を酷使してまう場合があり、悪化の原因にもなります。
痛みを発症している時に大切なことは、患部を安静にすることが一番大事です。
重度の場合を除いては、痛み止めはお勧めできません。
最近では、関節疾患専門の獣医院もでき、手術による成功例も増えています。
関節の手術は、術後のリスクやリハビリなど、事前にしっかりお話をお聞きし、慎重に検討する必要のある難しい手術であることは間違いありません。
関節トラブル対策にタイルマットシリーズ
フローリングは犬にとっては氷の上を歩いているようで、足が空回りしたり約3倍のケガのリスクが高まります。
犬の骨折や脱臼はほとんどが家のなかで起きています。タイルマットをおくだけで劇的に解決することができます。
愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修
代表取締役 川瀬 隆庸
- 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
- 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
- ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
- 小動物栄養管理士認定
- D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
- 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
- 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了
愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。