「自転車置き場のジョン」
小学2年生の頃、私は自転車で塾に通っていました。
ある日 塾から帰ると 当時住んでいた団地の
自転車置き場のフェンスの下から
ひょこっと顔だけのぞかせて私の顔をじっと
見つめる1頭の雑種犬がいました。
びっくりしましたが 私は犬が大好きなので
おいで おいでと 来るのを待っていると
その犬は しっぽを振り振りしながら
体を低くしながら出てきました。
出てくると 毛がふさふさの中型犬で
見た目は男の子っぽいですが 女の子でした。
仲良くなるのには時間はかからず
すぐに 両親に犬の事を話し 玄関でもいいから 飼いたいと
言いましたが 当時 シーズー犬を飼っていたため
ダメだと言われました・・・。
最大限にすねてみましたが 抵抗むなしくです・・・。
それから 私が学校に行く前、帰った時、塾に行く前、帰った時と
事あるごとに 自転車置き場に行っては 犬をなでなでしていました。
名前は 今となっては 何故その名前にしたのかは
自分でも意味がわかりませんが 女の子なのに
【ジョン】と名前を付けました。
ジョン！と言うと 大喜びで出てきてたのが
いつの間にか 足音や自転車のブレーキ音で
フェンス下から出てくるまで仲良くなりました。
ある日 学校から帰るとジョンがいなかったため
仕方なく家に帰ると 母がジョンが車にはねられて
その後 誰かにどこかに連れていかれたのを見た人がいると聞き
自転車で必死に探しましたが 見つかりませんでした。
毎日毎日 自転車置き場を見に行っては
うなだれの繰り返し
やっぱり死んじゃったのかな・・と
ダメ元で向かうと フェンス下から
ジョンの顔がひょこっと
ジョン！！
と呼ぶと
大喜びで出てきてくれました。
でも 片目が飛び出て 目玉がつぶれた状態
足もびっこ引き 前のジョンとは違う姿でしたが
子供ながらに ジョンが 傷つかないないよう
普通にいつも通り いつもより長く よしよししました。
両親に病院連れて行ってと
お願いしましたが 父がだめだと言い
しばらく 両親と口を利かないストを起こしました。
抵抗むなしくです・・・。
それから ジョンは交通事故も もろともせず
元気に過ごしていましたが
私がジョンを連れて 近所の雑種を飼っていた
家に遊びに行くうちに
半分 その家で飼ってもらえてる状態になり
赤ちゃんまで産んで 今思うと幸せな犬生だったのではと思います。
交通事故にあいましたが 自転車置き場に
びっこ引きながら 帰ってきたジョンを
想像すると 犬ってすごいなぁと もっと犬が大好きになりました。
私の犬好きは ジョンのおかげだと思います。
