病気やケガを治す力の中心は自分自身の「自然治癒力」です。
だから、少々のケガや病気は医者にかからなくても、
薬を飲まず放っておいても治ります。
動物は全て最後の場面で血圧が下がってきたので上げようと
いくら昇圧剤を使っても血圧が上昇しなくなります。
これは体が薬に反応しなくなったためです。
つまり、「病気やケガ」は医者や薬が力ずくで治せるものでは
ないということです。
たとえば発熱の場合、熱が出るとほとんどの方は大変だと
慌てふためいて熱を下げようと解熱剤を飲ませます。
そして高熱だと頭がおかしくなるのでは・・・と大騒ぎします。
実際は熱の高さと重症とは関係ありませんし、頭がおかしくなる
事もありません。
頭がおかしくなるのは脳炎や脳膜炎のウイルスが混じっているに
過ぎません。
細菌やウイルス感染時の発熱はウイルスや細菌を熱の力で弱めて
早く治そうとする防御反応です。
ですから解熱剤を使ってむやみに熱を下げるのは、かえって
病気自体の治りが遅れる原因になります。
しんどいのは熱のせいではなく、熱の出る原因のせいです。
また、鼻汁や咳、嘔吐、下痢なども同様で治癒に向けての
体の正常な反応です。
これらは全て体内に侵入した、または体内で生じた炎症産物を
体外へ流し出す働きです。
これは防御反応ですから、止めようとするのはよくありません。
本来、犬や猫は痛かったりしんどかったらじっとして動かないものです。
動物は自前で治す仕組みがちゃんと備わっています。
その仕組を上手に引き出し、完治のお手伝いをすることが大事です。